なぜご法事をするのですか?
亡き人は、葬儀で菩提寺の住職から戒名をいただき、引導を授けられ仏の世界へと旅立ちます。
亡き人の御霊は、十三仏さまに導かれて仏の道を歩みますが、その亡き人を偲び、ご本尊さまから功徳をいただくために供養をするのがご法事です。
それは、初七日忌から三十三回忌まで行うのが一般的です。
亡き人は、三十三回忌(地域によっては五十回忌)を迎えると「弔い上げ」といって、それからはその家のご先祖さまとして皆を見守っていく存在となります。
三十三回忌が終わった後は、お盆やお施餓鬼などでご先祖さまとしてご供養を続けていきます。
追善廻向
ご法事では僧侶に修法や読経をしていただき、参列者は焼香をして供養をします。
『智山勤行式』などを皆で一緒に読経して供養をするお寺もあります。
ご法事は「追善廻向」ともいいます。
廻向とは、お供物やお花を献じ、香を焚き、読経して供養した功徳を広く周りにも回し向けることです。
私たちはこうした廻向を続けて善行を重ねていきます。このことを「追福修善」といい、略して「追善」というのです。
ご法事は、亡き人の冥福を祈るだけでなく、生きとし生けるもの全ての幸せを祈ることでもあるのです。
ご法事を通じて私たちは、亡き人と繋がっているということを実感します。
また、亡き人への供養はご法事の時だけに限りません。命日は毎年来ますし、月命日に毎月お墓参りをする方もいます。
命は亡くなると途切れてしまうものではありません。供養の心は必ず亡き人に届いていることを忘れずにいましょう。
ご法事の準備
ご法事に用意するものは、お寺や地域によって違いはありますが位牌、供物・生花、塔婆が主なものです。
- 位牌
亡き人の御霊が宿る木製の牌です。
葬儀の時の白木の位牌に変わって、塗りの位牌を後のご法事までに準備し、開眼をしていただきます。
白木の位牌は、菩提寺に納めます。 - 供物・生花
これらは、亡き人のみならず、仏様にお供えをするものでもあります。
何時も心のこもったお供えをいたしましょう。 - 塔婆
インドの古い言葉で卒塔婆(ストゥーバ)といい、「仏塔」と訳されます。
仏塔とは仏さまそのものであり、塔婆をお供えすることは、大日如来などの十三仏の功徳を亡き人に捧げて供養することを意味します。
塔婆は「亡き人に向けて送る心の便り」ともいわれます。
ご法事の日時が決まりましたら、事前に菩提寺に申し込みましょう。
※ 墓参の準備(線香、お供物、生花など)も忘れないようにしましょう。
ご法事は親族、遺族や知人など、多くの縁を持った方々で営まれるものです。
各家庭の事情などもありますが、ご法事では様々なご縁のある方々と亡き人を偲び、お斎(食事の席)などで、亡き人の話でひと時を過ごすことも大切な供養になります。
真言宗智山派 リーフレット01 より
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