お盆…ご先祖さまへの「おもてなし」

お盆、ご先祖さまへのおもてなし

お盆…ご先祖さまお帰りなさい…

年に一度のご先祖さまの里帰り

昔からお盆は、日本人が大切にしてきた行事です。お盆には、御霊が、慣れ親しんだ家族の元に帰ってきます。この時期に実家に戻り、家族みんなでご先祖さまとひと時を過ごされる方も多いでしょう。

ご先祖さまとともに過ごす時間は、私たちに家族のつながりや他者を思いやる気持ちを育んでくれる大切な時間です。

ご先祖さまへのおもてなし

お盆には、自宅に精霊棚を準備して、夕方に家の前で、または菩提寺などにお墓参りをして「迎え火」を焚きます。

灯籠流しお盆中はご先祖さまを、精進料理などの様々な食事でおもてなしをします。僧侶が各家庭をまわり、お棚経をするところでは、読経をして供養してご先祖さまを供養します。

数日一緒に過ごした後は、「送り火」でご先祖さまを仏さまの世界へお送りします。各地の「灯籠流し」や「京都の五山の送り火(大文字焼き)」なども、ご先祖さまの御霊をお送りする「送り火」の意味が込められています。

「迎え火・送り火」の方法は、地域によってさまざまです。また一般に迎え火は、ご先祖さまの足元を照らし、我が家へ帰るための目印であり、送り火はご先祖さまを仏さまの世界へお送りするために焚くものだといわれています。

ご先祖さまをお迎えする精霊棚

精霊棚この精霊棚の飾り方は、あくまで一例ですが特徴的なものが、さいの目に刻んだナスやキュウリといっしょに洗米などを盛った「水の子」と、みそはぎの束を置いた水「閼伽水」です。
手を合わせる時には、みそはぎの束に閼伽水を含ませて「水の子」に注ぎ、ご先祖さまを供養します。

亡き人を初めてお迎えするお盆

亡くなった方は葬儀の後、四十九日忌を迎えると、仏さまの世界絵と旅立ちます。その御霊を初めてご自宅にお迎えするお盆を「初盆・新盆」などといいます。各地の風習や様式にならい、特に手篤く供養します。

初盆の御霊をお迎えしたら、ご自宅に菩提寺の僧侶を招いてお経をあげていただいたり、お施餓鬼や新盆供養など、菩提寺で行われる行事に家族で参列しましょう。

亡き人にとって初めての里帰りです。御霊をお迎えする私たちも心を込めて初盆を過ごしたいものです。

なるほど!
キュウリの馬とナスの牛
ナスの牛とキュウリの馬精霊棚には、キュウリやナスに真菰や割り箸の足を付けた、ご先祖さまの乗り物をお飾りします。一説には行きは早い「キュウリの馬」で一刻も早く家族のもとに駆けつけ、帰りは名残り惜しんで、ゆっくりと「ナスの牛」でお帰りいただくものだといわれています。
これは、ご先祖さまを大切に思う昔の人たちの気持ちが込められた「おもてなしの形」のひとつです。

真言宗智山派 リーフレット04より

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お寺の住職をしております。 昨今よく耳にするのは、先祖代々の宗派がわからない、菩提寺が地方にあるため何年も供養をしたことが無い等でお困りの方が多くいらっしゃいます。 ご法事・供養でお悩みの方、水子供養・お祓いなどお気軽にお寺にご相談下さい。