小説『こころの座標』第一章 出会いの静寂(3)
(3)沈黙の対話 デカルトは、しばし瞑目した。 思考を止めようとしたわけではなかった。ただ、あまりにも多くの情報が言葉にならぬまま押し寄せていたからだ。 空海の語る「空」という概念――それは彼の哲学の前提に、静かだ…
(3)沈黙の対話 デカルトは、しばし瞑目した。 思考を止めようとしたわけではなかった。ただ、あまりにも多くの情報が言葉にならぬまま押し寄せていたからだ。 空海の語る「空」という概念――それは彼の哲学の前提に、静かだ…
世界は、どこから始まるのだろうか。 霧の中で自分の“在り処”を見失いそうになる瞬間、ふと「私はほんとうに“ここ”にいるのか」と問いが立ち上がる。 理性の力で世界を切り拓こうとしたデカルト。 沈黙の中に真理を観じ、生きることそのものを仏法とした空海。 対極にあるかに見えるふたりは、実は同じ問いを抱えていた。 ――「この“心”とは何か?」 そして、過去でも未来でもない、「今・ここ」にだけ開かれた霧の高原。 ふたりは時空の裂け目に導かれるように出逢い、対話を始める。
全8章のショート小説(対話劇)「こころの座標」を勇気を奮って公開しようと思います。
稚拙な文体で、お立ち寄りいただいた方のお目を汚してしまうかも知れませんが…みな様の広〜〜い、ひろ〜〜ぃ、心でお許し下さいませ。
<梗概>
世界は、どこから始まるのだろうか。
霧の中で自分の“在り処”を見失いそうになる瞬間、ふと「私はほんとうに“ここ”にいるのか」と問いが立ち上がる。
理性の力で世界を切り拓こうとしたデカルト。
沈黙の中に真理を観じ、生きることそのものを仏法とした空海。
対極にあるかに見えるふたりは、実は同じ問いを抱えていた。
――「この“心”とは何か?」
そして、過去でも未来でもない、「今・ここ」にだけ開かれた霧の高原。
ふたりは時空の裂け目に導かれるように出逢い、対話を始める。